Japan Propose

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日本発国際提案

日本発国際提案

1 標準化に関連する用語

TC – 技術委員会(Technical Committee)

SC – 分科委員会(Subcommittee)

WG - 作業グループ(Working Group)

 

NWIP – 新作業項目提案 (New Work Item Proposal)

WD – 作業原案 (Working Draft) 

CD – 委員会原案 (Committee Draft)

FCD – 最終委員会原案 (Final Committee Draft) 

DIS – 国際規格原案 (Draft International Standard)

FDIS – 最終国際規格原案 (Final Draft International Standard)

IS – 国際規格 (International Standard)

PDTR – 技術報告書案(Proposed Draft Technical Report、

    CDと同レベル)

DTR – 技術報告書原案(Draft Technical Report、FCDと同レベル)

TR – 技術報告書(Technical Report、ISと同レベル)

2 ISO/IEC JTC1 SC31

2-1 SC31の委員会構成(2014年当時)

SC31:Automatic Identification and Data Capture Techniques

WG1: Data Carrier

WG2: Data Structure

WG3: Cnformance

WG4: RFID(Radio Frequency Identification) for Item Management

WG5: RTLS(Real Time Location Systems)

WG6: Mobile Item Identification and Management

WG7: Security for Item Management

2-2 SC31概要

 1993年頃より、欧州統合化の影響で欧州各国間の税関業務の簡素化と迅速化が必要となった。これを実現するため欧州規格団体である欧州標準化委員会(CEN TC225)で規格化を積極的に推進した。CENでの規格化が完了すると、CENの規格がそのままの形でISO化され、欧州以外の国が規格に参画出来なくなるため、原案の段階で意見を反映することが出来なくなる。

 CENの積極的な活動に危機感をいだいた米国が、CENの規格化が完了する前にISOへの格上げを画策した。具体的には1995年6月のJTC1キスタ総会(スウェーデン)で、米国がAIDC技術をテーマにした新しいサブコミッティ(SC31)の設立を提案した。しかし、日本はこの米国提案に反対した。これに激怒した米国商務省は日本の経済産業省(METI)に対して、「技術に見識のない人物を派遣して反対するとはどういうことだ!」とクレームを入れた。これに慌てたMETIはAIDC技術の専門家を探した。当時、任意の団体であるAIMJを除いてAIDC技術に関連があった日本で唯一の委員会は、(社)日本電子工業振興協会(JEIDA)の「バーコード標準専門委員会」であった。偶然にも筆者が1995年3月まで委員長を務めていた関係で筆者に白羽の矢が立った。10月にMETIから筆者に連絡があり、「飛行機、ホテルなどすべてMETIの費用で予約したので行ってもらわないと困る」とのことであった。仕方なく、JTC1キスタ総会の米国提案を受け1995年11月にニューヨークで開催されたJTC1特別委員会に出席した。特別委員会では、SC31の設立に向けてJTC1への提案書を作成した。

 1996年3月のJTC1シドニー総会にて、JTC1特別委員会の提案書が採択され、SC31が正式に発足し、SC31の議長と事務局が米国に決定した。JTC1の決定を受け、1996年6月にベルギーのブリュッセルにて、第1回SC31ブリュッセル総会が行なわれることになった。JTC1の対応委員会は(社)情報処理学会(IPSJ)/情報規格調査会(ITSCJ)にあり、ニューヨークのJTC1特別委員会に出席した関係で筆者がSC31国内委員会の委員長を務めることになった。AIDC技術は以前からAIMJで行われており、JEIDAにも委員会があり、「SC31国内委員会は活動が重複するので、JEIDAに移管したらどうか」と主張したが、JTC1国内委員長は承認しなかった。当時は外部に移管した1つの委員会の活動が目に余るものがあり、JTC1内に委員会を留めJTC1の権限を確保したかったようであった。従って、AIMJ、JEIDA、ITSCJと重複する3つの委員会を運営することになった。

 第1回SC31ブリュッセル総会では活動項目の枠組みを決定し、3つの代表者会議(Ad Hoc)の設立を決定した。3つのAd Hocは、Data Carier、 Data Structure、Conformanceであった。その後の各代表者会議では規格化の詳細検討を行った。代表者会議の結果を踏まえ、1997年3月に第2回SC31チューリッヒ総会(スイス)が開催され、20項目の規格化が承認され、各代表者会議を正式に作業グループ(WG)とした。ここからSC31の具体的な活動が始まった。

CEN:Comité Européen de Normalisation(仏語)

   欧州標準化委員会

METI:Ministry of Economy, Trade and Industry

AIMJ: Automatic Identification Manufacturers Japan

JEIDA:Japan Electronic Industry Development Association

  (社)日本電子工業振興協会

   2000年11月にEIAJと合併してJEITAになった。

JEITA:Japan Electronics and Information Technology

    Industries Association、(一社)電子情報技術産業協会

EIAJ:Electronic Industries Association of Japan

   (社)日本電子機械工業会

IPSJ:Information Processing Society of Japan、情報処理学会

ITSCJ:Information Technology Standards Commission of

   Japan、情報規格調査会

2-3 QRコード

ISO/IEC 18004 Information Technology

- Automatic Identification and Data Capture Techniques

- Bar Code symbology specification

- QR Code

 QRコード(キューアールコード)とは、1994年に(株)デンソー(現在は分離しデンソーウェーブ)とトヨタ中央研究所が共同開発したマトリックス型2次元シンボルである。なお、QRコードという名称(および単語)は(株)デンソーウェーブの登録商標(第4075066号)である。QRはQuick Responseに由来し、高速読み取りができるように開発された。当初は自動車産業の「かんばん」での使用を念頭に開発されたが、現在ではインターネットやスマートフォンの普及などにより日本に限らず世界的に最も普及している2次元シンボルである。 

 QRコードの国際提案についての詳細は、「QRコードの国際標準化」を参照のこと。(株)デンソーがQRコードを発表した1994年は、既にいくつかの2次元シンボルが、当時の自動認識業界団体であるAIMI規格として制定されたり、または制定作業中であったり、自動認識業界の標準シンボルとして普及の兆しを見せていた。そこで、QRコードもエーアイエムインターナショナル(AIMI)規格として制定することが重要と考えていた。ところが、1996年に自動認識技術の標準化を行う委員会であるISO/IEC JTC1 SC31が設立され、先行する2次元シンボルがISO標準を目指した。従って、QRコードも最終的にISO標準を目指した。そのために、まずAIMIの日本支部であるエーアイエムジャパン(AIMJ)の標準にし、AIMJからAIMIに提案し自動認識業界の標準シンボルにした後、SC31のタイプAリエゾンであるAIMIから、SC31に提案した。

 QRコードがAIMI規格として制定された1997年はSC31で1次元/2次元シンボルの国際標準化作業が開始された時期で、当初は米国で開発されたPDF417、データマトリクス、マキシコードの3つの2次元シンボルがISO/IEC規格化作業の対象として提案されていた。QRコードはAIMI規格として自動認識業界の標準シンボルになったが、自動認識技術のISO標準化が始まったこともあり、QRコードも世界に共通するシンボルにするべく、ISO標準化に取り組んだ。1998年のリオデジャネイロのSC31総会でプレゼンテーションを行い、同年9月にNWIP/CDの同時提案を行い、1999年9月にFCD、2000年2月にFDISが成立し、2000年6月にISO/IEC18004として発行された。

 このプロジェクトは自動認識の業界団体であるAIMJ、国際団体であるAIMI、SC31国内委員会の委員長である(株)デンソー、(株)デンソーが契約した米国、英国およびシンガポールのコンサルタントが協力して推進した。関連するドキュメントをGoogle Driveに提示する。以下のアイコンをクリックしてください。

AIM: Automatic Identification Manufacturers Japan

AIMI: Automatic Identification Manufacturers International

★ Video QR Code

QRコードを利用したアプリケーションの画像を提示します。

QR Code Report(E) 20010115(113M)

QR Code Report(J) 20000701(138M)

QR Code Report 2(J) 20050221(82M)

QR Code TAKATANA Plant 20031114(16M)

応用事例デンソー幸田製作所 20030122(24M)

応用事例デンソー幸田電子基板管理 20030501(8M)

応用事例デンソー製品管理 20061110(18M)

応用事例角川文庫 20030502(5M)

応用事例角川文庫 NHK 20001021(42M)

2-4 マイクロQRコード 

ISO/IEC 24719 Information Technology

- Automatic Identification and Data Capture Techniques

- Bar Code Symbology Specification

- Micro QR Code

 近年、安全・安心を保障するためのトレーサビリティの要求が益々高まっている。部品や製品の追跡管理を行うためには部品や製品に識別コードが添付されていなければならない。非常に小さい部品や製品は識別コードを添付するスペースが限られている。また識別コードをラベルで貼り付けると経年変化や使用環境条件によっては剥がれてしまう。この問題を解決する手段としてダイレクトマーキングがある。特に、レーザマーカの発達により、電子部品、プリント基板や自動車部品などに極小の識別コードをダイレクトマーキングして生産管理やトレーサビリティを行うことが可能になった。レーザマーカによるダイレクトマーキングは、高精度で微細なマーキングができる。また、ラベルを貼るのに比べてコストアップが少なく、製造工程で熱処理や洗浄処理をしても識別コードが消えないなど、半永久的に使用が可能である。

 ダイレクトマーキングの利用拡大により、小さなスペースに数字10桁ぐらいの極小シンボルの必要性が出てきた。また化粧品、医薬品、医療材料、文具、貴金属等の小物商品では、リニアシンボルをマ-キングする場所がないため、検品やPOSシステムの導入が困難であった。そこで、少量データを扱い、データ効率を優先したマイクロQRが開発された。また、マイクロQRコードはQRコードの標準化の過程でデータマトリックスとの比較で、コードサイズが小さい領域でデータマトリックスよりコードサイズが大きくなるという指摘を解決する目的でもあった。 

 2003年5月のSC31パリ総会にて日本よりマイクロQRコード関するプレゼンテーションを行った。このプレゼンテーションではQRコード規格(ISO/IEC18004)を改定してマイクロQRコードを包含する内容であったが、SC31国際議長の強い反対があり、要求によりNWIPとして提案した。2003年9月にNP/CD同時提案を行い、提案が通過後、2005年6月にQRコード規格(ISO/IEC18004)の改定が認められたので、規格提案を取り下げた。

 このプロジェクトはSC31国内委員会の委員長である(株)デンソーウェーブ、(株)デンソーウェーブが契約した米国、英国およびシンガポールのコンサルタントが協力して推進した。関連するドキュメントをGoogle Driveに提示する。以下のアイコンをクリックしてください。

(株)デンソーウェーブ:1976(昭和51)年設立。2001(平成13)年デンソーの産業機器事業部とシステム機器(株)、(株)デンソーシステムが合併し、商号を(株)デンソーウェーブに変更。自動認識関連事業がデンソーから移管された。

2-5 QRコードの改定 

ISO/IEC 18004 Information technology

- Automatic identification and data capture techniques

- QR Code 2005 Bar Code Symbology Specification

 QRコードの改定は主に、マイクロQRコードを包含し、QRコードモデル1を参考情報(Informative)として付属書(Annex)に移し、規定から外した。さらに白黒反転、表裏反転などにも対応した。ダイレクトマーキングを考慮してセル形状を正方形だけでなく、円形にも対応している。

 QRコードの改定は2004年11月にNWIP/CD同時投票を開始し、2005年8月にFCD投票、2006年3月にFDIS投票を行い同年年8月に規格が発行された。規格名称を「QR Code」のままを主張したが、互換性がないことを理由に「QR code 2005」とするよう押し切られた。

このプロジェクトはSC31国内委員会の委員長である(株)デンソーウェーブが推進した。関連するドキュメントをGoogle Driveに提示する。以下のアイコンをクリックしてください。

2-6 長方形マイクロ QR(rMQR) 

ISO/IEC 23941 Information technology

- Automatic identification and data capture techniques

- Rectangular Micro QR Code (rMQR) bar code symbology  specification

  IoT化が加速する現代において、製造業では、品質管理や業務効率化を促進するため、電子部品をはじめとする超小型部品の個体管理のニーズが高まっている。また、幅広い業界で伝票や帳票における情報管理の動きが進む中、余白のスペースが限られているためコードを印字できないといった課題がある。そこで、幅広い業界が持つ「小さなスペースに多くの情報を格納したい」というニーズに応えるべく、rMQRコード(アール・エム・キューアールコード:長方形マイクロQRコード)を開発した。

 ISO/IEC18004 QR code 2005に規定されているマイクロQRコードの長方形バージョンである。円筒形製品などの細長いエリアへの印字やダイレクトマーキングを想定している。2018年11月にNWIPを行った。2019年6月に最初のCD投票、その後2回のCD投票を行い、2021年6月にDIS投票を通過した。2022年5月に規格が発行された。

 このプロジェクトはSC31国内委員会の委員長である(株)デンソーウェーブが推進した。関連するドキュメントをGoogle Driveに提示する。以下のアイコンをクリックしてください。

2-7 モバイルORM 

ISO/IEC 16480 Information technology

- Automatic identification and data capture techniques

- Reading and display of ORM by mobile devices

 携帯電話に自動認識技術が搭載される最大の理由は,携帯電話の通信機能を使用したリアルタイム性(いつでも,どこでも)にある。このリアルタイム性がユビキタスネット社会に不可欠な要素である。携帯電話に搭載可能な自動認識技術は大きく2つに分けることができる.1つはデータキャリアを搭載することで、もう1つはデータキャリアのリーダ(カメラ機能、RFリーダ)を搭載することである。データキャリアとしては1次元シンボル,2次元シンボル,RFIDおよびコンタクトレスICカードなどがある。

 2007年6月のSC 31プレトリア(南アフリカ)総会で,米国からモバイルRFID設立のための代表者会議(Ad Hoc)の概要が説明され、Ad Hocの設立が承認された。2008年の6月に開催されたSC 31トロント(カナダ)総会では、Ad Hocの成果を検証し、WG6の設立を承認した。

WG6はRFIDを主体とした内容であったが、提案されたアプリケーションはすでに日本ではQRコードを用いて実現しているものが多かった。そこで,日本からモバイルQRコードを提案するために、2009年に経済産業省のプロジェクトを立ち上げた。プロジェクトは,モバイル機器に表示(液晶,有機ELなど)したQRコードの品質評価手法の開発およびモバイル機器内蔵カメラで紙に印刷したQRコードを読み取る場合の性能評価方法の開発を行った。2010年6月に日本からNP提案を行い通過したが、米国や韓国などからコメントが提出され、コメント対応のため2011年10月にタイトル変更およびスコープ変更をおこなった。

 プロジェクトエディタは(株)デンソーウェーブと米国で行い、規格作成はWG1とWG6のジョイントで行うことになった。WDは2011年から2012年にかけて作成し,最初のCD投票は2012年9月に締め切られ、賛成多数で通過したが,液晶に表示されたシンボルの評価方法など全く新しい技術評価のため、いろいろな意見が提出され2012年から2013年にかけて、3回もCD投票を行った。日本としては,QRコードの評価だけで早く完成させたかったが、1次元シンボルやほかの2次元シンボルの評価など、多くの意見が提出されコメントレゾリューション(CR)に時間がかかった。2014年にDIS投票を行い、2015年8月に規格書として出版された。

モバイルORMは2009年から2011年に(株)デンソーウェーブがMETIより受託した以下のプロジェクトの成果を標準化したものである。このプロジェクトは(株)デンソーウェーブが推進した。関連するドキュメントをGoogle Driveに提示する。以下のアイコンをクリックしてください。

*平成23年度国際標準開発事業 モバイルORM(光学的読取謀体)の品質評価仕様及び導入ガイドラインに関する標準化

ORM:Optically Readable Media

RFID:Radio Frequency Identification

METI:Ministry of Economy, Trade and Industry

CR:Comment Resolution

2-8 製品トレーサビリティ 

ISO/IEC 15459-1 Information technology

- Unique identifiers

- Part 1: Unique identifiers for transport units 

ISO/IEC 15459-2 Information technology

- Unique identifiers

- Part 2: Registration procedures 

ISO/IEC 15459-3 Information technology

- Unique identifiers

- Part 3: Common rules for unique identifiers 

ISO/IEC 15459-4 Information technology

- Unique identifiers

- Part 4: Unique identifiers for supply chain management 

ISO/IEC 15459-5 Information technology

- Unique identifiers

- Part 5: Unique identification of returnable transport items  (RTIs)

ISO/IEC 15459-6 Information technology

- Unique identifiers

- Part 6: product groupings

 2003年5月のSC31パリ総会にてMETIよりユニークな識別コードのNWIPに関するプレゼンテーションを行った。その後、2003年7月にNWIP/CD投票を開始し、2003年10月にNWIP/CD投票は通過した。2004年2月にタイトル変更の投票を開始したが、同年5月にキャンセルした。

 この間、NWIP/CD投票が通過したにもかかわらず1年近くも会議が開催されない。これはWG2コンビ―ナが規格に反対であり、会議をする意思がなかったからであった。そこで、2004年5月に開催されたSC31総会(Orlando, Florida, USA)で日本から異議申し立てを行い、早急なる会議開催を要求した。それに対し、SC31国際議長は2004年9月21日~24日にソウル(韓国)でWG4(RFID)の会議が行あり、関係者のほとんどが出席するのでその帰路に成田でバロットレゾルーション会議(BRM、25日~26日)を行うよう提案があり、日本側が対応した。当初のWG2コンビ―ナは流通系(GS1)の関係者であり、産業界系の製品コードについてはやりたくなかったようである。日本提案は流通系、産業界系および物流系で使用されているコード体系を包括するものである。特に、自動車業界や電気・電子業界で使用されている品番体系をそのまま変えることなく世界で唯一(ユニーク、固有)のコード体系にするものである。

 成田での会議はプロジェクトエディタとセクレタリで進められたが、WG2コンビ―ナはその任務を降りると言い出した。急遽、日本からコンビ―ナを推薦することにし、投票の結果2005年1月に承認された。その後、規格開発は比較的スムーズに行われFCD投票、FDIS投票と進み、2006年3月に4規格(ISO/IEC15459-1、-2、-3、-4)が発行された。

その後も、規格開発は進展し、日本からISO/IEC15459-6を提案し、(財)日本情報処理開発協会(当時、JIPDEC)がプロジェクトエディタを務め2007年にISO/IEC15459-5と共に成立した。

 このプロジェクトはMETI直轄の「商品トレーサビリティの向上に関する研究会」の成果をうけてSC31国内委員会委員長、JIPDEC/ECPCが米国のコンサルタントと共に推進した。関連するドキュメントをGoogle Driveに提示する。以下のアイコンをクリックしてください。

*METI直轄「商品トレーサビリティの向上に関する研究会」

*平成14年度企業間統合基盤整備「トレーサビリティコンセプト調査研究」

BRM:Ballot Resolution Meeting

JIPDEC:日本情報処理開発協会、Japan Information Processing      Development Corporation

ECPC:電子商取引推進センター、Electronic Commerce Promotion     Center

2-9 ダイレクトパーツマーキング 

ISO/IEC TR 24720 Information technology

- Automatic identification and data capture techniques

- Guidelines for direct part marking (DPM)

 ダイレクトパーツマーキング規格はスキャンニングレーザ、ドットインパクト、インクジェット、サーマルトランスファーの各方式による印字およびそれに対する読み取り装置を規定するものである。2003年5月のSC31パリ総会にて日本より「製品、部品に対する2次元シンボルのダイレクトパーツマーキング」に関するプレゼンテーションを行い、2003年9月にNWIPが通過した。その後、2004年12月に1回目のPDTR投票、2005年9月に2回目のPDTR投票を行い、2006年2月に1回目のDTR投票、2007年の3月に2回目のDTR投票を行い通過した。2008年6月にISO/IECTR24720として発行された。規格化の過程で、各種のダイレクトマーキングを実験することにより、技術的知見を得ることができた。

 ダイレクトパーツマーキングは2003年から2005年に(一社)日本自動認識システム協会(JAISA)がMETIより受託した以下のプロジェクトの成果を標準化したものである。関連するドキュメントをGoogle Driveに提示する。以下のアイコンをクリックしてください。

*基準認証研究開発事業「製品・部品への二次元シンボルのダイレクトマーキング及び自動読取技術の標準化

JAISA:(一社)日本自動認識システム協会

     Japan Automatic Identification Systems Association

★ Video DM

ダイレクトマーキングに関連した画像を提示します。

DNSI新技術紹介 20110128(60M)

ベクトルドットインパクト 20050805(110M)

2-10 リライタブルハイブリッド(コンプレックス)メディア 

ISO/IEC 29133 Information technology

- Automatic identification and data capture techniques

- Quality test specification for rewritable hybrid media

 data carriers

 リライタブルハイブリッド(コンプレックス)メディア(RHM)とは目視可能で印字と消字を繰り返すことができるリライタブルメディアと1次元シンボル、2次元シンボル、OCRやRFIDなどのデータキャリアを一体化したメディア(媒体)である。

 2003年5月のSC31パリ総会で日本からプレゼンしたのが始まりである。SC31パリ総会の結果を受けRHMのプロジェクトは2003年から(国立研究開発法人)理化学研究所を中心に進められた。当初は産業界での使用を目的に、リライト回数の向上のための研究やリライトプリンターの開発が行われた。2005年までプロジェクトが進められたが、国際提案をするまでには至らなかった。2006年からは、枠組を変更し、JAISAが中心となってプロジェクトが進められた。2006年8月のWG3パリ会議、2007年5月のWG3ツールーズ(フランス)会議でのプレゼンを経て、2007年7月にNWIP提案を行ない、提案は承認された。プロジェクトエディタは日本が要請した英国と(株)リコーが分担した。2008年12月にCD投票、2009年5月にFCD投票、2009年12月にFDIS投票へと進み、2010年5月4日に国際規格(ISO/IEC29133)として発行された。この技術は日本独自技術((株)リコーと三菱製紙(株)の2社)であり海外に競合会社がないためスムーズに進捗した。

 リライタブルコンプレックス(ハイブリッド)メディアは2003年から2005年にかけて理化学研究所が、2007年から2009年にかけてJAISAがMETIより受託した以下のプロジェクトの成果を標準化したものである。関連するドキュメントをGoogle Driveに提示する。以下のアイコンをクリックしてください。

*中小企業基準認証研究開発事業「RFID(無線ICタグ)リライト複合媒体タグの標準化」(理化学研究所)

*平成18年度社会ニーズ対応型基準創生調査研究事業「書き換え可能な目視媒体の標準化」(JAISA)

*平成19年度社会ニーズ対応型基準創成調査研究事業「RHMの標準化に関する調査研究」(JAISA)

*平成21年度社会環境整備・産業競争力強化型規格開発事業「RHMの標準化に関する調査研究」(JAISA)

RHM: Rewritable Hybrid Media

★ Video RHM

リライタブルハイブリッドメディア(RHM)を利用したアプリケーションの画像を提示します。

RICHO RECO-View(E) 20040303(96M)

RICHO RECO-View(J) 20030918(49M)

RICHO RHM Application(E) 20040303(30M)

RICHO RHM Application(J) 20030918(15M)

RICHO RHM Introduction(E) 20040303(15M)

RICHO RHM Introduction(J) 20030913(8M)

RICHO RHM Numazu Plant(E) 20040303(36M)

RICHO RHM Numazu Plant(J) 20030918(18M)

★ Video KANBAN

リライタブルハイブリッドメディア(RHM)を使用した「かんばん」読み取りの画像を提示します。

RHM QRかんばん添付 20071016(4M)

RHM QRかんばん読取り 20080703(4M)

2-11 RFIDミドルウェア 

ISO/IEC 24791-1 Information technology

- Radio Frequency Identification (RFID) for item management

- Software system infrastructure

- Part 1: Architecture 

ISO/IEC 24791-2 Information technology

- Radio Frequency Identification (RFID) for item management

- Software system infrastructure

- Part 2: Data Management 

ISO/IEC 24791-3 Information technology

- Radio Frequency Identification (RFID) for item management

- Software system infrastructure

- Part 3: Device management 

ISO/IEC 24791-5 Information technology

- Radio frequency identification (RFID) for item management

- Software system infrastructure

- Part 5: Device Interface

 RFIDのリーダ・ライタやタグを動作させるための基本技術に関する規格は、ISO/IEC18000(エアインタフェース)、ISO/IEC15961(アプリケーションコマンド)等が、国際標準として2005年までにほぼ成立した。「RFIDシステム」として、産業界の各方面で利活用していく上では、RFID機器とアプリケーションの間をつなぐミドルウェア部分の在り方が重要である。2005年から検討が開始されたミドルウェアに関する国際標準を、日本の産業界、特に製造業におけるRFIDの利活用に十分適応し得る機能と性能を有する内容とするため、2005年末に(一社)電子情報技術産業協会(JEITA)傘下にRFIDミドルウェア検討委員会を発足させ、RFIDのユーザメモリ領域へのデータ格納方法及びデータ管理方法について、RFIDのユーザ業界からの要求事項も踏まえて検討した。RFIDのユーザメモリ領域へのデータ格納方法及びデータ管理方法について、RFIDのユーザ業界からの要求事項も踏まえて2006年5月のSC31モスクワ総会でMETIからプレゼンテーションを行った。2006年6月にNWIP提案を行い、通過した。新しいソフトウェアシステム規格のため議論が伯仲し何度も原案の修正が行われた。最終的に2010年から2014年に規格が成立した。

 ISO/IEC 24791-1 2010年

 ISO/IEC 24791-2 2011年

 ISO/IEC 24791-3 2014年

 ISO/IEC 24791-5 2012年

 RFIDミドルウェアについては、2003年から2005年にJEITAがMETIより受託した以下のプロジェクトの成果を標準化したものである。関連するドキュメントをGoogle Driveに提示する。以下のアイコンをクリックしてください。

*エネルギー使用合理化電子タグシステム開発調査事業「RFIDミドルウェアプロジェクト」

JEITA:Japan Electronics and Information Technology

    Industries Association

2-12 RFID機器が植込み型医療機器に及ぼす影響の評価方法 

ISO/IEC TR 20017 Information technology

- Radio frequency identification for item management

- EMI impact of ISO/IEC 18000 series interrogator emitters on

 implantable pacemakers and implantable cardioverter

 defibrillators

 日本では携帯電話が普及していく時に携帯電話の発生する電波が心臓のペースメーカや除細動器に影響を及ぼすことがわかった。最も影響を受けやすい心臓のペースメーカや除細動器(世界で約30種類以上)では携帯電話を15cm以内に近付けると影響を受ける(正常な動作が疎外される)ことがわかった。その後、万引き防止装置では実際にペースメーカが機能を一時停止したことが報告され、その影響を調べるために、万引き防止装置にも調査範囲が拡大された。万引き防止装置では最も影響を受けやすい心臓のペースメーカや除細動器がアンテナから25cm以内に近づくと影響(正常な動作が疎外される)を受けることがわかった。

 日本では、万引き防止装置に引き続き、コンタクトレスICカードのリーダ・ライタ、RFタグのリーダ・ライタが調査された。UHFのリーダ・ライタではアンテナから75cm以内に、最も影響を受けやすい心臓のペースメーカや除細動器が近づくと影響(正常な動作が疎外される)を受けることがわかった。日本では、この事実がすべての心臓のペースメーカや除細動器を装着している人に通知された。万引き防止装置やRFタグのリーダ・ライタでは心臓のペースメーカや除細動器を装着している人にわかるように防止装置やRFタグのリーダ・ライタへのマーク表示が義務づけられた。

 さまざまな報告書で、各種の電気・電子装置が、植込み型の心臓ペースメーカや心臓除細動器(ICD)などの能動型埋め込み医療機器(AIMD)に電磁結合(電磁干渉)を起こし、それによって時折不具合が起きる可能性のあることが指摘されていた。RFIDリーダ・ライタがAIMDに与える影響を検証するための方法には基準がなく、一貫性に欠けるというのが現状であった。

 提案規格は電磁波が心臓のペースメーカや除細動器に与える影響の測定方法とRFIDのリーダ・ライタからの影響を緩和する技術を内容としている。この規格には、輸液ポンプや心電図などの医療機器への電磁波(電波)の影響は含まれていない。また、この規格では、現段階で必要なEMIリスクの調査やその削減に有用な基本的情報について述べ、実証的な電磁妨害評価の方法、およびRFIDリーダ・ライタがAIMD上に発生する電磁妨害への軽減策に必要な技術についても述べ、代表的な装置に対する実証実験の結果も紹介する。

 「RFID機器が植込み型医療機器に及ぼす影響の評価方法」については、主に、SC31WG4SG5の会議でその規格化の必要性を訴えた。2008年から本格的に活動を開始し、2009年2月にNWIPを提出し、2009年10月にPDTR、2010年7月に2nd PDTRに進んだ。2011年2月にDTRに進み2011年12月に規格として発行された。この活動はWG4SG5が担当したが、日本がコンビ―ナを務めている。

 「RFID機器が植込み型医療機器に及ぼす影響の評価方法」については、2008年から2011年にJAISAがMETIより受託した以下のプロジェクトの成果を標準化したものである。このプロジェクトでは心臓やペースメーカなどの人体モデルは北海道大学が担当した。関連するドキュメントをGoogle Driveに提示する。以下のアイコンをクリックしてください。

*戦略的国際標準化推進事業/標準化研究開発「RFID機器が植込み型医療機器に及ぼす影響の評価方法に関する標準化」

UHF:Ultra High Frequency、300MHz - 3GHzの周波数の電波

ICD:Implantable Cardioverter Defibrillator、植込み型除細動器

AIMD:Active Implantable Medical Device、

    能動型埋め込み医療機器

3 ISO TC122

3-1 TC122の委員会(WG)構成(2013年当時)

TC122の構成は、分科委員会(SC)と直轄作業グループ(WG)となっている。これらの構成は、毎年見直されて投票によって解散、復活、設立が決定されている。

TC122:Packaging

SC3:Performance requirements and tests

for means of packaging, packages and unit loads

SC4:Packaging and the environment

WG4:Bar code symbols on unit loads and transport packages

WG5:Terminology and vocabulary

WG6:Steel drums

WG7:Linear bar code and two dimensional symbols for product packaging

WG8:Plastic drums

WG9:Accessible design for packaging

WG10:Supply Chain Applications of RFID

WG12:Supply Chain Applications of Logistics Technology

3-2 TC122の概要

 ISO/IEC JTC1SC31の標準化活動で懸案事項となっていたのは、「データキャリアを使用したサプライチェーンの規格開発をどうするか」であった。1996年4月にIEC ACETで以下の規格をFast-Trackで処理することに決定した。このアプリケーション規格は、EIAが中心となって策定し、半導体、電子基板などの部品や、その包装の識別コードおよび表示ラベルを規定しており、後のISO 28219、ISO 22742、ISO 15394の素案となるものである。(参照:SC31 N0072、N0073)

  Global Electronics Guideline

  for Bar Code/2D Marking of Products & Packages

  in Conjunction with EDI

 この規格は、EDIに基づいた識別コードとその表示方法(1次元、2次元シンボル)を規定している。この規格はIECの規格でありエレクトロニクス分野の製部品に限定されている。この規格の考え方をベースにした全産業に適合する規格作成をどこでやるかについて議論があった。米国では当時のSC31国際議長(GS1 US)とANSI MH10.8議長が対立していた。SC31国際議長は当然SC31でやるべきとの考えであったが、ANSI MH10.8議長は、SC31は設立したばかりでWGが立ち上がっていないし、GS1(当時はEAN)の影響力が強すぎて、産業界の意見が十分反映されないと考えていた。筆者も同意見であった。当時は、SC31の各国代表の中でGS1以外の団体が発言力を持っていたのは米国、ドイツ(自動車、メディカル)と日本の3か国のみで他の国はGS1の各国支部が代表権を持っていた。ANSI MH10.8ではEIAやAIAGなどが類似の規格開発を行っていた。そこでEIAおよびANSI MH10.8議長が中心になってTC122にWG4を立ち上げた。1996年11月にWG4が以下の規格のCDを策定した。WG4のメンバーはANSI、CEN、GS1から構成されている。(参照:SC31 N0094)

  ISO 15394 Packaging

  - Bar Code and two-dimensional symbols for

  Shipping and Receiving

 ISO 15394はは輸送単位の識別方法およびその表示方法(ラベル)を規定している。この規格は、1997年3月にCD投票を通過し、BRMの結果DISステージに進むことが決定した(参照:SC31 N0262)。その後、1998年3月にDIS投票を開始したが、使用されている2DシンボルはPDF417とMaxi Codeであり、QRコードは含まれていない(参照:SC31 N0328)。1998年5月にDIS投票を通過し、FDISステージに進むことを決定した(参照:SC31 N0408)。1999年1月にFDIS投票を通過し(参照:SC31 N0561)、2000年4月に規格が発行されたNWIP時と規格名称が異なる)。

  ISO 15394 Packaging

  - Bar Code and two-dimensional symbols for

  shipping, transport and receiving labels

 この規格はTC122の日本代表機関である(公社)日本包装技術協会(JPI)からCDの段階まで情報が公開されなかった。JPIでは興味がなく、放置されていた。筆者が米国からの情報により認知した。DIS投票時は日本からQR コードの使用を認める様に提案したが米国から拒否された。日本はFDIS投票では賛成に回ってしまった。

 2002年のISO 15394のJIS化では将来ISO 15394を改定すると主張し、「参考」ではあるが、PDF417とMaxi Codeの代わりにQRコードを使用できるように、国際規格にはない附属書1および附属書2を追加した。反対はあったが強引に押し通した。

  JIS X 0515

  出荷、輸送及び荷受け用ラベルのための

  1次元シンボル及び2次元シンボル

 次のISO 15394の見直しではJISと同様の内容(QRコードの採用)を提案し採択され、2009年4月に改訂版が発行された。

 ISO 15394の規格化が終了したので、個品包装に使用するシンボルの規格が新たにWG7で開始され、最初の会議は2000年10月31日~11月1日に米国ニュージャージー州 Holmdelのベル研究所(Lucent Technologies)で行われた(筆者も参加)。

  ISO 22742 Packaging

  - Linear bar code and two-dimensional symbols for

  Product Packaging

 このWG7の活動に筆者も参加することになったが、JPIにはデータキャリアおよびサプライチェーンの専門家が在籍していなかった。そこで、2001年6月に筆者がMETIと話し合って、JAISA内に「物品識別標準化委員会」を立ち上げ、この委員会を中心に対応した(筆者は2016年まで幹事を務めた)。これはISO 15394への対応の反省でもあった。ISO 22742は2001年2月にWD、2002年2月にCD(参照:SC31 N1141)、2002年6月(参照:SC31 N0891)にDISステージになり、2005年1月に規格として発行された。

ISO 22742と同様の規格はIEC TC91(Electronics assembly technology)でも並行して開発が行われ2002年11月に規格が発行された。この規格にはISO 22742と同様に2次元シンボルは、QRコード、Data matrix、PDF417が採用された。TC91は1991年9月に、1980年代の表面実装技術の興隆を背景に日本が主体となって立ち上げたTCで、幹事国は日本である。歴代の国際幹事役も日本が努め、リーダーシップを発揮していた。

  IEC 62090

  Product package labels for electronic components

  using bar code and two-dimensional symbologies

 1999年9月のCDではQR コードの使用が認められていたが、2000年5月の委員会で米国圧力により、突如、QR コードが除外され、最終委員会原案(CDV)が投票にかけられた。しかし、IEC日本委員の支援により、復活採用が決定した。QRコードが復活したCDV投票では、米国が棄権したが、2004年の最終投票では賛成し、規格は成立した。

この時の経緯は(米国の戦略で一旦外されたQRコードの復活)は以下の書籍(第5章 デンソーQRコードの標準化戦略)に実名で詳しく述べられている。「標準化」の実態が述べられており、標準化にかかわる人には一読をお勧めする。

  実録・交渉人の達人

  著者 原田節雄(旧ソニー)

  発行 日経BP社

 2002年にISO TC20(Aircraft and space)SC1 WG13(Characteristics of aircraft electrical systems)でもISO 22742に類似のISO 21849の規格開発が始まったため、この対応もJAISAの「物品識別標準化委員会」が担当することになった。

  ISO 21849 Aircraft and space

  - Industrial data

  - Product identification and traceability

 2001年7月31日にNWIPが行われた。2002年、2003年のWDおよびCDには、2次元シンボルは Data Matrix のみが規定された。TC20の会議には直接参加できなかったため他人任せの状態であったが、2004年8月にQRコードを含んだ形式に変更提案し承認された。2006年12月に規格として発行された。国際会議に直接参加できないジレンマを味わった規格であった。

 ISO 22742が一段落した後、WG4でISO 28219の規格開発が行われた。この規格は部品の識別方法とダイレクトマーキングを含む表示方法を規定している。2006年4月のWDではQRコードの使用が認められていなかったが、「物品識別標準化委員会」での審議結果を反映し、提案した結果、QRコードの採用が認められた。2006年10月にDISステージに進み、2009年1月に規格として発行された。

  ISO 28219 Packaging

  - Labeling and direct product marking with linear bar code

  and two-dimensional symbols

 1998年8月26日~28日にRFIDをテーマとするSC31WG4の最初の会議を東京で開催した。エアインタフェース規格であるISO/IEC 18000シリーズが2001年4月にCDステージに進んだ。2001年9月10日~11日にWG4大阪会議を主催したが、米国の9.11テロがあり、米国に帰国できない人の対応に追われた。2002年6月にはISO/IEC 18000シリーズは一部規格を除いてFCDステージに進んだ。

 SC31WG4でRFIDの規格化が進んだので、RFIDを使用したサプライチェーン規格を担当する委員会がTC122とTC104(Freight containers)とのジョイントワーキンググループ(JWG)として2002年に設立され、最初の会議が2002年6月5日にベルリンで行われた。

  ISO 17363 Supply chain applications of RFID

  - Freight containers

  ISO 17364 Supply chain applications of RFID

  - Returnable transport items (RTIs)

  ISO 17365 Supply chain applications of RFID

  - Transport units

  ISO 17366 Supply chain applications of RFID

  - Product packaging

  ISO 17367 Supply chain applications of RFID

  - Product tagging

 この5つの規格の階層構造を考案したのは筆者であるが、TC104とのJWGになったのはISO 17363がコンテナの規格であるためである。会議は必ずTC104 SC4(Identification and communication )WG2とセットで行われた。なぜなら、TC104 SC4 WG2では2001年9月11日以後、重要課題となったコンテナセキュリティ用の電子シール(RFID)規格開発が米国中心でスタートしたからである。TC104の日本代表機関は(一社)日本船主協会であったが、RFIDの専門家がいなかったため、これらもJAISAの「物品識別標準化委員会」が担当することにした。METIからは委員会をこんなに拡大して大丈夫か?と言われた。TC122とTC104の活動概要についてSC31のリエゾン報告をGoogle Driveに提示する。また、ISO 1736xの規格制定の経過をGoogle Driveに提示する。以下のアイコンをクリックしてください。 

  ISO 18185-X Freight Containers - Electronic Seals

  - Part 1: Communication protocol

  - Part 2: Application requirements

  - Part 3: Environmental characteristics

  - Part 4: Data protection

  - Part 5: Sensor interface

  - Part 6: Message sets

  - Part 7: Physical layer

 ISO 17363~17367の規格は2002年8月にNWIP(参照:SC31 N1403)、2004年7月にWD、2005年2月にCDステージ、2005年10月にDISステージ、2007年4月にFDISステージに進んだ。ISO17363は2007年、17364~17367は2009年に規格として発行された。2005年~2006にかけてTC122の事務局であるイラン(ISIRI)の事務手続き遅延が問題になり、2005年に筆者がMETIと交渉し、2006年からJPIがTC122の国際事務局になった(しばらくはイランと共同事務局)。その後、TC122とTC104のJWGは2009年に解消され、ISO17364~17367の規格はTC122WG10に受け継がれて改定作業を行った。さらに、これらの規格は、2018年にJTC1 SC31に移管され、ISO15394,22742,21849の規格はTC122 WG12に引き継がれた。規格審議の受け皿団体であった「物品識別標準化委員会」は2017年に解消され、TC122 WG12対応委員会になった。 JAISAの「物品識別標準化委員会」の活動詳細については関連するドキュメントをGoogle Driveに提示する。以下のアイコンをクリックしてください。

 さらにJAISA全般の活動内容について関連するドキュメントをGoogle Driveに提示する。以下のアイコンをクリックしてください。

ISO 18185-1~ISO 18185-7の規格は、2004年1月にNWIP、2004年12月にCD、2005年7月にDIS、2007年5月に規格として出版された。Part5とPart6はドロップアウトしPart7がPart5になった。

ACET:Advisory Committee on Electronics and Telecommunications

Fast-Track:迅速手続

EIA:Electronic Industries Alliance

AIAG:Automotive Industry Action Group

JPI:Japan Packaging Institute

GS1:Global Standard 1

EAN:European Article Number

RFID:Radio Frequency Identification

ISIRI:The Institute of Standard and Industrial Research of Iran

3-3 プラスチックRTIへのダイレクトマーキング

ISO TR17350

Direct Marking on Plastic

Returnable Transport Items (RTIs)

 物流で用いる代表的な輸送容器は、パレットである。パレット上にダンボール箱を積載し“紐掛け”、“網掛け”及び“フィルム掛け”をして輸送単位にしている。最近では、環境保護の視点から、ダンボールに代わってプラスチック製の輸送容器(通い箱)が用いられるようになった。特に、B to Bにおける製造業の工場間物流及び物流センターから販売店への物流では、ほとんどが通い箱を用いられるようになった。しかし、通い箱の管理(所有者管理)が十分でないため、放置、放棄、紛失、盗難などによって、新たな環境問題を引き起こしつつある。また、動脈物流において、通い箱に入った商品(通い箱ごと)を配送し、静脈物流(帰り便)で空の通い箱を回収すべきであるが、通い箱管理が十分でないため、回収率が低く、積載率の低下による輸送効率の低下をまねいている。

 これらの状態を改善するために、通い箱を固体管理できるように、識別コードを付加する。識別コードは、国際物流に対応できるように国際標準に従ったコード体系(ISO/IEC 15459-5に基づいた最大35桁)にする。しかし、通い箱の管理は、従来の作業工程にプラスされるため、作業効率を上げるために、自動認識手段を用いる必要がある。

 リターナブル容器は、樹脂製が多い。リターナブル容器に、管理番号を2次元シンボルでダイレクトマーキングできれば、低価格でリターナブル容器の個品管理が可能になり、リターナブル容器の紛失を少なくできる。工場間物流では、ジャストインタイムを実現する動脈物流は、きめ細かく管理されており、部品(製品)ごとに決められたリターナブル容器を使用し、輸送品質を確保している。しかし、リターナブル容器そのものの管理が十分行われていないため、容器回収のための余分な物流が多い。リターナブル容器を計画的な静脈物流で回収することによって、静脈物流の積載効率が飛躍的に向上し、二酸化炭素排出量の削減に大きく貢献することができる。

 この規格は、リターナブル容器へのダイレクトマーキングについて、最適なマーキング方法及び読み取り方法についてのガイドラインを提供する。2011年3月にNWIP提案し、2012年9月にDTR投票、2012年11月にTR投票を行い、2013年1月に規格が発行された。TC122にはダイレクトマーキングの専門家はいないため日本と米国で規格を作成し、スムーズに進行した。この規格は、WGに関与せずにTC122セクレタリ直轄で行われた。

「リターナブル容器のダイレクトマーキングに関する標準化」については、2009年から2012年にJAISAがMETIより受託した以下の2つのプロジェクトの成果を標準化したものである。プロジェクトはJAISA内の委員会とJAISAが契約した米国のコンサルタントで推進した。関連するドキュメントをGoogle Driveに提示する。以下のアイコンをクリックしてください。

 *2009-2011 経済産業省委託事業「通い箱ダイレクトマーキングの標準化」

*2011-2012 経済産業省委託事業「物流用データキャリアのインターフェイス及びリターナブル容器へのダイレクトマーキングに関する国際標準開発」

3-4 SCM用データキャリアのアプリケーションガイド

ISO TR17370

Application Guideline on Data Carriers

for Supply Chain Management

 サプライチェーンのデータキャリアの規格は、4つの階層(アイテム、包装、輸送単位、コンテナ)があり、各々の階層は、基本的な部分では問題がない。しかし、実際に適用する場合、各々の階層の基本構造に当てはまらないものが存在する。これらの基本構造に当てはまらないものの処理方法を明示しないと作成した規格が使用されないことになりかねない。また、1次元/2次元シンボルとRFIDでは別の規格体系になっていることもあり、各階層に適用するデータキャリアの種類間での整合方法が明示されていない。この規格は、階層の基本構造に当てはまらないものを数多く提示しその処理方法を明示すると同時に、異なるデータキャリア間の整合方法をガイドラインとして作成する。

 サプライチェーンでは、1次元シンボル、2次元シンボルやRFIDなどのデータキャリアは複数種類が混在して利用される。特にRFIDは種類によって、データ格納構造が異なるため注意が必要である。サプライチェーンでこれらのデータキャリアを混在して使用するために、規格に基づく基本的な階層構造を例示し、そのデータを1次元シンボル、2次元シンボルやRFIDなどのデータキャリアに格納する方法、それらのリーダ・ライタからのホストコンピュータへの転送データ構造を例示し、データキャリアを混在して使用するための有効な方法を例示する規格が必要になる。

サプライチェーンでのトレーサビリティを向上させるためにはデータを追記できるRFIDの利用が不可欠である。しかし、RFIDを利用するには次に述べる課題がある。

(a)RFIDは10種類ほど標準化されており、エアインタフェース、メモリ構造がそれぞれ異なっている。そのためにミドルウェアの標準化が進められているが、多種類のRFIDに対応可能なミドルウェアは複雑になる。RFIDを1種類しか使用しないユーザにとって、ミドルウェアは不要である。

(b)市場に提供されているRFIDはEDIのデータ構造を考えた場合、メモリ容量が少ない。そのために部分的にデータ圧縮方法が規格化されているが、ホストコンピュータへの送信データをEDIのデータ構造と同じ構造にする方法が規格化されていない。

(c)1次元シンボル、2次元シンボルリーダからホストコンピュータに送るデータ構造と、RFIDリーダ・ライタからホストコンピュータに送るデータ構造とが一致していない。

 提案する規格は、これらの課題を解決する方法を解りやすく提示する。

自動車、家電製品、パソコンなどは既に、リサイクルが義務付けられているが、これらは、サプライチェーンをライフサイクルマネージメントの一部としてとらえことを意味している。自動車を例にとると、約2万点の部品から構成されており、これらの部品すべてに追跡管理用コードを付ける必要がある。勿論、管理コストを低減するために自動認識用データキャリア(1次元シンボル、2次元シンボル、RFID・・・)で追跡管理用コードを付けるのが望ましい。この場合、データキャリアが異なっても、データキャリアからの転送データを同じにする必要がある。そうすることにより、リサイクルを容易にするだけでなく、リユースを促進することができる。

 この規格は、2011年3月にNWIP提案し、2012年5月にPDTR投票、2012年7月にDTR投票、2012年12月にTR投票が行われ、2013年6月に発行された。

 「SCM用データキャリアのアプリガイド」については、2009年から2012年にJAISAがMETIより受託した以下の2つのプロジェクトの成果を標準化したものである。プロジェクトはJAISA内の委員会とJAISAが契約した米国のコンサルタントで推進した。関連するドキュメントをGoogle Driveに提示する。以下のアイコンをクリックしてください。

*2009-2010 経済産業省委託事業「データキャリア活用ガイドラインの標準化」

*2011-2012 社会環境整備・産業競争力強化型規格開発事業「物流用データキャリアのインターフェイス及びリターナブル容器へのダイレクトマーキングに関する国際標準開発」

3-5 金属製RTI用RFIDのアプリケーションガイドライン

ISO TR22251-1

Application Guideline

for use of RFID on Returnable Transport Items

Part 1 For Metal Returnable Transport Items

 日本の製造業は製造工程においては、「かんばん」方式に代表される効率化によりコスト削減を行ってきた。しかし、賃金の安い海外企業との競争に打ち勝つ為、海外への生産拠点の移転が行われ、国内の産業空洞化を招いた。これ以上の国内産業空洞化を防止するためには国内から海外への物流コストの低減(サプライチェーンの効率化)が不可欠である。これを実現するためのひとつの方法として、サプライチェーンにおいてRTIの活用を推進する必要があるが、現時点ではRTIそのものがほとんど管理されていないために紛失が多く、その追加発注コストが企業の負担となっている。

 この様な状況において、近年UHF帯RFタグを使用して、サプライチェーン上でRTIを可視化するための規格(ISO17364)が規定された。これにより、国際標準に従ったRFIDによるRTIの管理ができる環境が整った。RTI管理にUHF帯RFIDを使用することで、離れた位置からの一括読み取りが可能となり、バーコードを使用した管理に比べ、大幅に管理コストの低減が可能となる。しかし、実際にRFIDシステム導入を検討する際には、RTI価格が安い場合、RTIの資産管理だけではコストメリットを出すことが難しい。価格の高い金属製RTIであればRFIDシステム導入が比較的容易である。一方、UHF帯RFタグの金属に対する特性として、一般的なRFタグを取り付けた場合、著しく読取り距離が低下し、使用することが出来ない。金属対応RFタグは幾つかあるが、耐久性や取り付け要件など金属製RTI用途に合致したRFタグが存在しない。従って、金属製RTI用RFタグを新たに開発する必要がある。

 金属製RTI管理に対して最も大きなニーズを有するのは自動車産業である。自動車産業で用いられる金属製RTIは、自動車部品に合わせた専用品が多く、かつ、輸送品質を保証する為に頑丈となっており、一般的なRTIに対して高価である。自動車産業における金属製RTIの流れはサプライヤーから自動車メーカまで一貫した流れになっており、流通課程内のRTIの所在を把握することが重要である。金属製RTIの所有者は自動車メーカや大手部品メーカであるが、大手部品メーカにおける調査で、現状、毎年20~30%のRTIが補充発注されている。また、RTIが返却されないことにより、極端な場合には製造ライン停止に陥ることがあることが解った。RFIDを活用することにより、金属製RTIの管理が容易になり、管理精度が向上することで、所在が明確になるなど効果的な運用ができ、紛失の問題が解決すると共に、最適な必要数量が明確になり省資源化を見込めるが、導入が進んでいない。これは、対応したRFIDシステムがなく。統一規格が無いためである。

 この規格は、2016年12月にNWIP提案し、2017年5月にNWIPは承認された。規格の審議はWG12が担当したが、RFIDの専門家は日本と米国しかいないため、審議は比較的スムーズに進捗した。2017年11月にタイトル変更が承認され、2018年1月にDTR投票を行い、2018年3月に通過した。その後、規格開発プロジェクトが終了、WG4、WG7、WG10、WG12のコンビーナ(規格開発でJAISAと契約)の急死などの要因により、推進力が急速に失われた。開発を担当するWG12の後任コンビーナは日本人が選ばれたが、2022年6月の会議では次のステップへ進む事についての合意は得られなかった。2022年11月のTC122 WG12国内委員会において、ISO TR22251-1およびTR22251-2の規格を取り下げ、再スタートすることになった。規格成立まで一貫した責任体制を維持できなかったことが悔やまれる。

 「金属製RTI用RFIDのアプリケーションガイドガイドライン」については、2014年および2015年から2017年にJAISAがMETIより受託した以下のプロジェクトの成果を標準化推進したものである。プロジェクトはJAISA内の委員会とJAISAが契約した米国のコンサルタント(WG12コンビーナ)で推進した。関連するドキュメントをGoogle Driveに提示する。以下のアイコンをクリックしてください。

*2014 国際幹事等輩出分野に係る国際標準化「金属製RTI用RFIDに関する国際標準化に関わるフィージビリティスタディ」

*2015-2017 省エネルギー等国際標準開発「金属製RTI用RFIDに関する国際標準化」

RTI:Returnable Transport Items

FS:Feasibility study

4 ISO TC204

4-1 TC204の委員会(WG)構成(2017年当時)

TC204は、基本的に作業グループ(WG)から構成されている。これらの構成は、毎年見直されて投票によって解散、復活、設立が決定されている。

TC204:Intelligent transport systems

WG1:Architecture

WG3:ITS geographic data

WG5:Fee and toll collection

WG7:General fleet management and commercial/freight

 SWG7.1 ISO 17687

 SWG7.2 ISO 24533、ISO 17187

 SWG7.3 ISO 26683、ISO 18495

 SWG7.4 ISO 15638

WG8:Public transport/emergency

WG9:Integrated transport information, management and control

WG10:Traveller information systems

WG14:Driving automation and active safety systems

WG16:Communications

WG17:Nomadic Devices in ITS Systems

WG18:Cooperative systems

4-2 TC204 WG7概要

 サプライチェーンでの貨物輸送は、船舶、航空機および自動車が使用される。船舶輸送はIMOおよびISO TC8、航空機輸送はICAO(IATA)、自動車輸送はISO TC204がそれぞれ担当している。輸出入は船舶によるものがほとんどであり、船舶輸送はコンテナ番号で管理されている。コンテナに積載される輸出入貨物には税関が大きく関与しているため、サプライチェーン規格はWTO、WCOのシステムを踏襲する必要がある。

JTC1 SC31 WG4でRFIDの規格化が進展したので、RFIDを使用したサプライチェーン規格を担当する委員会がTC122とTC104とのJWGとして2002年に設立さた。これらの規格はサプライチェーンにおけるRFIDを規定するもので、サプライチェーンの階層別にRFIDの周波数や格納データ構造を決定する。UHF帯のRFIDが利用(指定)されることにより、「離れて読める」、「複数同時に読める」という機能がサプライチェーンで利用可能になった。

 2001年の9.11同時多発テロの影響から、2002年10月に、米国運輸省が陸上貨物輸送分野における貨物の可視化とセキュリティ対策のためのデータートランスファー規格の提案があった。その提案により、TC204 WG7に、SWG7.2が設立され、道路交通分野のEDIメッセージとデータエレメントに範囲を絞って議論が進められた。

 一方、日本国内においては、国際複合一貫輸送が注目された。METIの要請により日本規格協会(JSA)が国際複合一貫輸送に必要なデータエレメント・メッセージの標準化を行う委員会を主催した(下記参照)。この委員会はUN/CEFACT、TC204、TC104、TC211、TC8など関係技術が広範囲なため事務局としてJSAが選定され、委員はいろいろな技術を分担する団体が選定された。 

2002/04-2004/03 JSA「国際複合一貫輸送のためのデータエレメント・メッセージの標準化」 

 複合一貫輸送における貨物等の緯度・経度の位置情報の標準化調査研究は、2005(H17)年度から2008(H20)年度まで実施され、SWG7.2対応国内委員会として活動した。 

2005/04-2008/03 JSA「国際複合一貫輸送における貨物等の緯度・経度の位置情報の標準化調査研究の総合調整委員会」  

 この間、TC204での物流情報に関する標準化活動が活発化し、複合一貫輸送におけるトラック輸送の貨物情報の特定化とアプリケーションプロファイルの標準規格化の必要性が指摘された。その結果、2007年にTC204 WG7にSWG7.3が組織され、複合一貫輸送における商用車及び貨車載器を活用したアプリケーションプロファイル標準化が開始された。

複合一貫輸送は、トラック輸送だけでなく、海上コンテナ輸送、コンテナに積み込まれた貨物を特定化しなければならないため、TC204だけでなく、TC104、ISO/TC122と連携、協調しなければならない。またコンテナなどの輸送機材や貨物(パレット、パッケージなど)に取り付けられるデータキャリアの標準化活動とも連携、協調しなければならないため、関係者が多く、調整の労が多大である。そこで、事務局を「物品識別標準化委員会」で実績のあるJAISAが担当することになった(下記参照)。 

2009/04-2011/03 JAISA「国際複合一環輸送における貨物等の緯度・経度の位置情報の標準化調査研究の総合調整委員会」 

 国際的な物資の流通機構に即した適切な移動情報管理は、管理情報データ、データベース、情報の受渡し並びにチェックシステムなど複数のシステムの総合であり、国際間に共有しうるものであることが、重要な要素である。日本でも、すでに物流における情報システムの開発及び運用が一部では実用化されている。国際間貿易で必要なデータべースおよびデータ受渡しシステムに寄与することは今後の国際貿易上必須の要件となっている。こうした、国際環境にあって、ISOへの日本の希求する物流管理システムの提案と他国との技術的総合調整を行い、国際的に共有できる情報管理システムを構築する必要がある。この研究は、国際物流に関連した規格開発の専門家の参画を得て、国際標準化機構等での意見集約に努め、技術応用ユースケースの開発を推進、研究するものである。関連するドキュメントをGoogle Driveに提示する。

ICAO:International Civil Aviation Organization

IATA:The International Air Transport Association

IMO:International Maritime Organization

ISO TC8:Ships and marine technology

WTO:World Trade Organization

WCO:World Customs Organization

JSA:Japanese Standards Association

UN/CEFACT:United Nations/Centre for Trade Facilitation and Electronic Business

TC211:Geographic information/Geomatics

ISO TC8:Ships and marine technology

4-3 複数のタグ管理アーキテクチャ

ISO 26683-1 Intelligent transport systems

- Freight land conveyance content identification and communication

Part 1: Context, architecture and referenced standards

 

ISO 26683-2 Intelligent transport systems

- Freight land conveyance content identification and communication

Part 2: Application interface profiles

2005年11月のポートランド WG7にて日本より行った以下のNWIPがプレナリーで正式に承認され、2006年4月にSWG7.3が新たに設置されてISO 26683-1、-2を作成することになった。 

Freight conveyance content identification and communication architecture profile

- Application profile

(貨物輸送情報の認識とコミュニケーションのアーキテクチャ) 

 商用車及び積載貨物のモニタリング情報について、車載器を経由して側道の基地局、衛星等と通信・データ交換する一般化されたユースケース(国内トラック輸送~国際海上輸送~国内トラック輸送)、および必要となる識別子の利用方法に関する規格をパート1(用語と参照規格)とパート2(アプリケーションプロファイル)に分けての2件作成する。この規格は4つのパート構成とすることが想定されるが、パート3(輸送中の貨物状況のモニタリング)、パート4(輸送中のセキュリティ)については、関連する規格の進捗状況をみながら規格提案の可能性について検討する。

陸上輸送における積荷管理のシステムアーキテクチャについ て、既存の国際規格などを組み合わせて活用し、国際複合一貫輸送に適用するアプリケーションプロファイルを規定し、更に貨物状態のモニタリングアーキテクチャの標準化を目指している。

 トラックなどにより貨物を路上輸送時に積載貨物のリアルタイム監視を可能とすることを念頭にTC104 の協力を得て審議がなされた。TC204 WG4 でのAVI/AEI(トラックヘッドやトレーラーシャーシーの自動識別)やJCT1 SC17で審議しているドライバー識別カード、TC104 で審議している貨物コンテナRFID タグなどを総合して活用することにより総合的な商用貨物車路上輸送セキュリティーリアルタイム管理を可能としている。標準化推進サポートの為に外国人の国際標準化エキスパートを活用した。

 2010年6月にNWIP、2011年2月にCD通過し、ISO 26683-1はは一度はTSに変更されたが、ISに戻されて、2012年6月に通過し、ISO 26683-1は2013年4月に、ISO 26683-2は2013年2月にそれぞれ出版された。

この活動については、2010年から2012年にJAISAがMETIより受託した以下のプロジェクトの成果を標準化したものである。プロジェクトはJAISA内の委員会とJAISAが契約した英国のコンサルタントとで推進した。関連するドキュメントをGoogle Driveに提示する。以下のアイコンをクリックしてください。

*2010~2012 国際標準開発事業「国際複合一貫輸送における商用車及び貨物等可視化のための車載器を活用したアプリケーションプロファイルに関する国際標準化」

4-4 完成車物流の可視化手法

ISO 18495-1 Intelligent transport systems

- Commercial freight

- Automotive visibility in the distribution supply chain

Part 1: Architecture and data definitions

この規格は、生産工場をラインアウトしてから販売時点に至るまでの、車両輸送におけるデータキャリア、識別子(ID)、データベース(データの種類:何が、いつ、どこで、どうなっているか)を組み合わ せたモニタリングシステムを対象としている。

完成車輸送に利用されるデータフォーマット、完成車の個品としての識別国際規格の調査、完成車輸送会社・ターミナル等の物流会社を中心に、自動車メーカを含むユーザーニーズの分析を通じたリアルタイム監視のための情報基盤概念の立案、およびその活用概念の規格である。当初は完成車に限った規格を想定したが、各国の賛同が得やすいように、中古車や建機、農業車両にも適用できるような規格とした。

2012年7月にWD、2012年10月にNWIP、2014年1月にCDが通過したが、2014年9月のDISは否決された。DIS投票では、ODETTE(欧州自動車)が反対し、ヨーロッパ各国( ベルギー、フランス、ドイツ、ハンガリー、イタリア、スペイン、スウェーデン)が同調した。正確な反対理由は不明であったが、以下の2点が想定された。

・範囲を中古車や建機、農業車両などに範囲を広げたため、VIN以外の識別コードを受け入れる。

・TC204ではASN.1のシンタックスを使用するが、欧州ではUN/EDIFACTが広く使用されている。

これらを、勘案し規格の修正を行った結果、2015年8月に再DIS投票が開始されて10月に承認され、2016年9月に規格として発行された。

 この規格に関連して2012 年10 月のWG7モスクワ会議にて米国よりSWG7.2 のISO TS24533、TS17187 を利用して完成車物流の可視化を実現する作業項目が提案されPWIとして承認され18495-2が登録された。

「完成車物流の可視化の標準化」については、2012年から2014年にJAISAがMETIより受託した以下のプロジェクトの成果を標準化したものである。プロジェクトはJAISA内の委員会とJAISAが契約した英国のコンサルタントとで推進した。関連するドキュメントをGoogle Driveに提示する。以下のアイコンをクリックしてください。

*2012-2014 政府戦略分野に係る国際標準化活動「サプライチェーンにおける完成車物流の可視化手法に関する国際標準化」